ネットオークションで買ってはいけないコンバート時計
- 2019.07.10
ウォッチ911の藤田です。
アンティーク時計はとても魅力的ですよね。
懐中時計から腕時計まで、本当に個性的で手にしたくなるものです。
当店でも、その魅力を少しでも皆様にお伝えできていましたら、幸いです。
ですが、
特に初心者の方には避けてもらいたいものも、市場には出回っております。
特に、ネットオークションを利用して購入しようとされている方には、
避けてほしい時計があります。
買ってはいけないコンバート時計とは?
まず
常識的に考えて、
「お宝・掘り出し物」のような金額で本物が売られていることは「ほとんどありません」。
「え!このブランドのこの時計が、こんな金額で出品されている!」
そのほとんどが、コピー品などの偽物でしょう。
明らかに「値段がおかしい」ものは、避けていただくほうが無難です。
それらしい理由が付けられて販売されていますが、その真偽が判断できない状態では、本物に巡り合うことはありません。
そして最近、
某ネットオークションで非常によく見かける、「買ってはいけない時計」があります。
懐中時計を腕時計に作り変えた、コンバート時計
ネットオークションで、アンティーク時計を買われる方は、
注意してください。
コンバート時計とは、
古い懐中時計のムーブメントだけを抜いて、大きな腕時計ケースに収めて有名時計ブランドのロゴを入れ、装飾を施した時計のことです。
特にオメガを中心に、ロレックスやIWCなどの高級メーカーのアンティーク時計によくみられるもので、
某ネットオークションで売買されていることを、本当に最近よく見かけます。
さらに、それらのコンバート時計の買取や、修理のご相談を頂くこともあり、
私自身が危機感を抱いております。。
古い大きな懐中時計のムーブメントが元になっているため、腕時計ではあるものの、直径が5センチ以上と大きいのが特徴です。
写真のような文字盤を彫刻してシースルーにしたもの、裏側がシースルーになったもの、文字盤や機械自体が彫り抜かれたように装飾が綺麗で、機械の動きが見える等の加工が施されています。
これらは、そのほとんどが海外で安価に制作されたもの、もしくは海外製の汎用的なケースを使用しています。
その機械自体に合わせて作られたものではなく、機械とケースの組み合わせという点で、機械がケースに留められない・リューズや巻き芯の位置との関係等、どの時計もかなり高い確率で問題があります。
本来であれば懐中時計としても十分流通するメーカーの時計でありながら、そのままでは販売できない問題を機械自体が抱えていることも多く、売れやすい「大きな腕時計」という形で、ただ単に売ることだけを目的に作られているものがかなり多いものです。
コンバート時計に価値はあるのか
基本的に、
こちらは「偽物」扱いになりますので、
時計としての価値などはまったくありません。
昔の本物の懐中時計のムーブメントを加工しているならまだしも、
新しく作った偽物の粗悪な機械をアンティークとされている場合、メーカー名の刻印が偽造で入っている場合、時計によって様々な問題を抱えています。
ムーブメント自体が偽物である可能性も高く、
修理ができない・メンテナンスすらできない問題を抱えている可能性もあり、見た目の面白さから購入するにもそれなりの金額がかかるにも関わらず、リスクの非常に高い部類で、経験者も含め、特に初心者の方には絶対に手を出して欲しくないものです。
コンバート時計は、買取も修理もできません
これらコンバート時計は、「買取も修理も不可」となります。
買ったときは、数十万もしたのに?とお思いの方もいらっしゃるかと思いますが、
コンバート時計の殆どは、ダイヤルやムーブメントの装飾・絵付け・色付けなど、手間隙がかかっています。
なので、それなりに高いのです。
ロレックス製だから、パテックフィリップ製だから、ではありません。
また、
個人で楽しむなら良いのではないか、という意見ももちろんありますが、
いずれはそれが市場へ流れてくる可能性が高いのです。
そして、その時計を本物だと思い、高額で購入してしまう方が少なからず出てきます。
知らずに高い金額を払って購入する方もいらっしゃるので、
皆さんも、このような時計を見つけたら、注意して下さいね。
お読みいただき、有難う御座いました。
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