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機械式時計とクオーツ式時計、どちらを買うべきなのか

  • 2019.05.10

皆さん、こんにちは。
ウォッチ911の藤田です。

時計には大きく分けて、電池で動く「クオーツ式」と、ゼンマイで動く「機械式」の2種類がありますが、
当店は「機械式腕時計専門店」ですので、主にゼンマイで動く時計を取扱いしております。

そこで、機械式の腕時計とクオーツ式の腕時計の違いや、買う(使う)メリットとデメリットをリアルな実体験も踏まえて、お伝えいたします。


クォーツ式と機械式は何が違うのか?

1969年以降広まったクォーツ時計(俗に言うクオーツショック※後)は、それまでの機械式時計に比べて時間が正確(高精度という)でした。
当初のクオーツ時計の価格は高価でしたが、製造体制の自動化により、低価格で買えるように。

一方、クオーツショックに負けじと1990年代にリバイバルした機械式時計は、クォーツほど精度が高くはないですが、機械としての面白さなどが注目され、今や高価格帯の時計はその多くが機械式ムーブメントを載せるようになっています。
また、機械式ムーブメントのほとんどは、分解修理が可能なので、そのため知られた有名メーカーの物だと、資産価値があり、長期の使用に耐えると考えられています。

※1969年12月25日
SEIKOが発売した世界初の市販クォーツ腕時計「アストロン」。
それまでの腕時計といえば…ゼンマイで動く機械式時計。ゼンマイ巻上後の持続時間は約30時間。精度はクロノメーター規格の物でも平均日差=-5~+8秒ほど。しかしこのアストロンは銀電池で1年以上駆動。月差でも±3秒以内という、前代未聞の高精度。
その後SEIKOが特許を公開。
特許を公開後、クォーツ腕時計の低価格化が進み、かつては高級品であった腕時計が、子供でも買うことのできるような身近な商品へと変貌し、市場を席巻しました。

トルク=チカラが違う

機械式時計のいいところ

クオーツ時計は、機械式時計に比べてトルク(=力)が弱いのです。
そのため、多くのクォーツ時計の針は、機械式時計に比べて短く薄いです。
また、力が足りないため、かつてクォーツ時計の多くは、機械式時計のように複雑な機能を載せられなかったのです。

それに対して機械式時計は、クォーツムーブメントに比べてトルクが強いです。
なので、太くて長い針を載せられるため、デザインの幅は広がります。
また、機能を増やしやすいため、今では機械式時計で、さまざまな複雑時計が発表されています。
現在では、クォーツにも多機能モデルはあるが、トルクの大きさは、今なお機械式ムーブメントの大きな利点といえます。

修理可能か、否か

機械式時計のいいところ

次は、永く使うことを考えて、修理ができるかできないかについて。

クォーツムーブメントは、修理が難しいものが多く、とりわけ安価なクォーツムーブメントは、機械で大量生産するため、基本的には分解できる構造を持っていません
そのためムーブメントが壊れたら、交換するしかないのです。
また、歯車などに金属ではなくプラスチックを使うため、長くは使えません。
ただし、大量生産されたクォーツムーブメントであれば、仮に生産中止になっても、交換用のムーブメントが手に入る可能性は高いので、修理というより載せ換えは可能です。

対して機械式ムーブメントは、クオーツムーブメントに対して、基本的にはすべて修理が可能です。
パーツは歯車などで構成されるため、手で組み立てることを前提とする機械式ムーブメントは、その多くが修理可能なのです。
(ただし現在は、修理の際にムーブメント交換するメーカーも少なくない)。
なので、機械式ムーブメントは、修理さえ行えば、半永久的に使えます。

時間が狂いやすいか、正確か

クオーツ時計のいいところ

続いては、時間の正確さです。

クオーツ時計は、安価なクォーツでも一月の遅れ進み(月差という)が30秒から15秒程度以内と、機械式よりはるかに正確です。
またクオーツが発表当初は1年程度しかなかった電池寿命も、今では5年以上と長くなりました。
しかも日本のメーカーは電池の保ちをよくするため、太陽電池を備えた「エコドライブ」(シチズン)や「ソーラー」ウォッチを発表しています。
これらの光発電クォーツは、光がある環境ならば、理論上永遠に動き続け、加えてクォーツムーブメントは、磁気の影響を受けても狂ったり止まる可能性が少ないのです。
仮に止まっても、磁気から外せば動く場合が大半でしょう。

対して機械式時計は、その構造上、クォーツほど正確でない
高精度なクロノメーター規格を通った機械式時計ならば、一日の遅れ進み(日差という)が-4秒から+6秒以内ですが、一般的な機械式時計は、日差が30秒以内とあまり正確ではないのです。
月差30秒から15秒以内というクォーツ時計に比べて、正確さでは絶対的に劣ります。
そしてさらには磁気に弱く、心臓部に使われているテンプという部品は、磁気と衝撃に大変に弱いです。
そのため強い磁気や衝撃にさらすと、時計が狂ったり止まる可能性があります。
クォーツムーブメントならば磁気から外せば普通に動きますが、機械式時計の場合は、磁気抜きをしたり、最悪の場合はすべて分解して修理する必要があるのです。

資産価値があるか、ないか

機械式時計のいいところ

クオーツ時計は、その特性上、永遠に使うことは難しいものですので、資産価値としてみると、価値は低いものが多いです。
また、クオーツムーブメントを主力として載せている時計ブランドも少なく(日本のセイコーやシチズンくらい)、もともとの販売価格も低めになっています。

対して機械式時計は、基本的には修理すれば永遠に使えるということもあり、また、ロレックスなどをはじめとした世界的に有名な時計メーカーが機械式を主力として使っているので、資産価値は大いにあります
中には、定価より大きく値上がりするようなモデルもあり、趣味性がたかいのが機械式時計でしょう。


結局、どちらの時計を買えばいいのか

 

それでは、結局は、クオーツ時計と機械式時計、どちらを選べば良いのでしょうか

一般的に、時計が趣味ではない方で、良い時計は一本くらい持っていたいなーという方には、
間違いなく「機械式時計」をおすすめ致します。

資産価値もあり、ある程度のブランドパワーもある機械式時計は、やはり”誰が見ても良い時計”だと思いますし、所有していて満足感は得られると思います。

そして、

普段から時間は正確でないといけない方や、分刻みでスケジュールがある方は、クオーツ時計をおすすめいたします。
年に5秒から10秒しか狂わない「年差クォーツ」というモデルもあり、現行品で例を挙げると、「ザ・シチズン」クォーツモデルのA660、1950、グランドセイコーの9F系、そしてロンジン「コンクェストV.H.P.」のE56、57などが販売されています。

機械式とクオーツには、取扱いに差がある

クオーツ時計のいいところ

クオーツは、構造がシンプルでかつ電子式なので、ある程度雑に扱っても壊れにくいのですが、
歯車や細かいパーツで動く機械式時計は、日頃から丁寧に取扱うことが重要です。

なので、

ある程度ラフに、アクティブに使いたい方は、クオーツ時計

日頃から丁寧に使いたい方は、機械式時計が合っていると思います。

日頃から、イイモノを丁寧に取り扱うと、人としての”品格”も上がりますし、
モノを丁寧に取り扱えるようになれます。

機械式時計というのは、日常に上質感を与えてくれますし、身に着けていると毎日が少し楽しくなります。

クオーツ時計ももちろん良いですが、色んな味わいのある機械式時計は、やはり素敵だなと思います。