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注意が必要なリダン文字盤(リダンダイヤル)とは

  • 2019.05.03

皆さん、こんにちは。

神戸の機械式腕時計専門店「ウォッチ911」の藤田です。

今日は、アンティーク時計によく見られる「リダンダイヤル」について、お話しようかと思います。

リダンした文字盤とは?

アンティーク時計がお好きな方でしたら、
一度は目にしたり聞いたことがあると思います、この「リダン」という言葉。

そこでまず、「リダン」とは何なのでしょうか。

 

リダン」とは、文字盤(ダイヤル)を修復することを言います。
和製英語です。

例えば、

ブライトリングの2カウンタークロノグラフ

この写真のブライトリングも、ダイヤルがオレンジとブラックのツートンカラーに変更されて「リダン」されています。

この「リダン」ダイヤルにつきまして、
広義ではおおまかに、以下の3つに分けられます。

  1. 古くなり視認性が著しく劣ったダイヤルを修復する目的のリダン(元のダイヤルを忠実に再現する、本来のリダン。時計屋さんにお願いしたり、メーカの純正オーバーホールのメニューとして実施している場合もあります)
  2. 本来の、メーカー純正の製品では存在しないダイヤルにする、いわば個人的な特注品を作成(カスタムリダンともいいます)
  3. 別の製品のダイヤルに似せて作る、または全く同じに様に作り替える
    (つまりは、ダイヤルを偽装して偽物を作る)

さきほどのブライトリングは、2番に相当するモデルとなります

これらの「リダンされたダイヤルの時計」を買ったり売ったりする場合、様々な注意点があるんです。

それぞれのケースを、1番から順に見てみましょう。

本来のダイヤルを忠実に再現するリダン

リダンダイヤル

リダンというのは、本来、その時計の新品時の美しい文字盤を忠実に再現するために、行われるものです。

腕の良い時計店にて行ったリダンは、美しいですね。

なお、写真のチュードルのデカバラでは、ブラックダイヤルというのはほとんど存在しませんので、ほぼほぼリダンと分かります。

実際の鑑定では、ダイヤルを外さないと分からないくらい綺麗にできています。

お買取になりますと、基本的に買取可能なモデルになります。

では、

それぞれのリダンの広義をご紹介していきましょう。

本来とは違うデザインにリダン

元々のダイヤルとは違うデザインや、カラーに変更して作り直したもので、「カスタムダイヤル」とも言います。

ロレックスのリダンダイヤル

写真のオイスターパーペチュアルも、サーモンピンクが美しい、カスタムダイヤルです。

ですが、こういったダイヤルのものが、何かの弾みで市場に流通すると、リダンでは無く「XXXのマイナーチェンジバージョン!、レアもの発見!」などと誤解を受けて、人騒がせなことに繋がることもあるので、注意が必要なものになります。

20年以上も前の話ですが、このようなROLEXのリダンダイヤルが大流行りでした。

これは、グレー商品といいいますかカスタム品になります。

ただ、時計の販売先が、リダンやカスタムと言って売っているのであれば法的にも問題はないし、
欲しい方と売りたい方の利害関係がマッチングすれば、それはそれで、いいビジネスだと思います。

ですが、買取となると、基本的には不可になりますが、
ムーブメント等もすべてチェックして、本物であればお買取自体は可能なモデルもあります。

グレーゾーンとは、物事の中間領域・あいまい領域の事を指す俗語・和製英語である

日本語として古くから「白黒つかない」「白黒はっきりさせる」のような慣用句が存在する。グレーゾーンとは、そんな白でも無い黒でもない曖昧な状態をグレー(灰色)と喩え、どちらとも付かない状態のことを指す。場合によっては「黒(白)に近いグレー」という言い方もし、通常は白が合法・適切を意味することが多い。

狭義には、法の未整備などを原因として、法的に合法(白)であるか違法(黒)であるか難しい脱法行為の事例を指す。また、違法である場合でも罰則規定が無いことや拡大解釈、法を遵守した方がかえって弊害が出るなどの理由によって、事実上平然と行われている例もグレーゾーンであるといえる。
グレーゾーン – wikipedia 

ここで用いるグレー商品というのは、真贋がはっきり見解付け出来ない商品や、贋物に限りなく近いが確証が得られない商品に対して使用します。

ダイヤルを偽装してニセモノを作る

これはもう、完全にアウトなモデルです。

市場には決して流通してはいけないものですが、なかなか素人目には見分けがつかないのが現状です。

チュードルのニセモノ

最も多いと思われるのは、チュードルのサブマリーナーですね。

パッと見は良く出来ておりますが、中国製と思われるムーブメントにも、刻印など入れています。

ダイヤルはともかく、ベゼルと文字盤の違和感が酷いです。
いくら出来がいいところでも、所詮はオリジナルではありません。

このような悪質な事例もあります。

ロレックスのエクスプローラー1のボーイズサイズ(実在が疑われるほど数は少なく、国内への流入も少なかったモデル)が、エアーキングと同じリファレンスだったことを良いことに、中古のエアーキングをエクスプローラー1に文字盤をリダンして販売するという手法が横行して世間を騒がせたことがありました。

まとめ

このように、元のダイヤルを忠実に修復(再現)するという意味でのリダン以外の時計はすべて、グレーゾーンであったりアウトな時計である、ということです。

これらグレーゾーンの時計やアウトなダイヤルの時計を見分けるには、相応の知識が必要です。

ですが、明らかに見て分かるレベルのカスタムダイヤルや偽造ダイヤルも多く出回っております。

 

偽造されたダイヤルの時計には、価値もありません

あやしい販売金額やダイヤルの時計には、絶対に手を出さないように、気をつけましょう。

 

それでは、また。